第7章 波乱の7月合宿。
「黒尾さん、美優さんと何してるんですか…」
リエーフの固い声にクロの腕の力が強くなった。
「美優さん、黒尾さんから離れて…」
肩にリエーフの手が置かれる。
クロから引き剥がそうとしているのかぐいと後ろに体がひかれる。
いやだ、泣きはらした顔、見られたくない。
とっさにリエーフの腕を振り払い顔をクロの胸に埋めた。
「美優さん…」
リエーフの悲しそうな声。
本当はリエーフのそばにいたい。
でも、こんな顔見られたくない。
「リエーフ先輩、ご飯食べそびれちゃいますよ?
邪魔しちゃ悪いしいきましょう?」
ヒヤリとした空気をぶち壊すような明るい声。
やっぱり、この子といたんだ。
苦しくて、苦しくて、また涙が溢れそうでクロのTシャツをぎゅっと握った。