第7章 波乱の7月合宿。
「束縛強っ…」
…は?
つぶやかれた声は明らかに私に向けられた声で…
声がした方を振り返れば先ほどまでリエーフにべったりとくっついていた子が不機嫌そうな顔で私を見ていた。
「そんなにがっちがちに縛ってたらリエーフセンパイかわいそー。
っていうか、卒業したマネージャーはいらないんで来ないでくださいよ。」
可愛らしい顔が醜悪に歪む。
「ヒステリーな人は嫌われますよー?
オバサン?」
そう言って女の子は表情を変え、リエーフの方に走って行った。
「うっわ…性格ブス。」
「月島、言い方。でも裏表ある子は俺も苦手。」
『な…何…あの子っ…』
っ………むかつくー!
私のイライラを感じ取ったらしい蛍と赤葦はフォローにまわりだしたが、そんな言葉も耳に入らないくらい私はイライラしていた。
私も必死に気持ちを鎮めようとするけれど、試合のないときは2人はずーーーっとべたべたべたべたべた。
試合中は隣でいかに私がリエーフに似合わないかをさっきのマネージャーに延々言われ続けた。