第7章 波乱の7月合宿。
車を走らせ数十分。
私達は都内にある梟谷学園に乗り込んだ。
今回の合宿は梟谷。
施設の大きさにびっくりしていると木兎が私ににかりと笑う。
「そっかぁ、美優は梟谷はじめてだもんな。でっけーだろ‼︎」
『うん。おっきくてびっくり。木兎はここに通ってたんだもんね。』
「おう!3年間むちゃくちゃ楽しかったぜー!」
「お前らさ、話ばっかりしてねーで荷物運べよ。」
私と木兎はクロに謝りつつ、荷物を詰めた段ボールを持った。
結局、差し入れは何になったかというと…
「嬢ちゃんの手作りの和菓子が食べたい。」
という、猫又監督のワガマ…いや、要望により、また作ることになってしまいました。私が。
悩んだ結果、去年の合宿で作った寒天デザートを作ることにした。
去年作った抹茶、コーヒー、紅茶、牛乳の他にいちご牛乳、あずきミルクの2種類を増やし6種類。
あとは、猫又監督たちには白玉ぜんざいとみたらし団子。
梟谷の調理室の使用許可は先に取っておいてもらった。
っていうか、猫又監督のゴリ押しで教室を開けさせたってのが本当のところ。
梟谷の調理室は音駒の調理室より設備がいい。
だから去年より品数が増やせるんだよね。
『さて、やりますか。』
念のために持ってきていたエプロンの紐をキュッと結ぶと、私は作業を開始させた。