第7章 波乱の7月合宿。
合宿当日、行きたくないと嘆くリエーフを送り出した後、私も出かける準備を行う。
今日は黒のTシャツにクリーム色のシフォンのキャミワンピ。
ペチコート代わりにレースのショートパンツを履いてチラ見え防止。
後は黒のニーソに3センチヒールのエナメルパンプス。
髪の毛はヘアアクセを使った簡単ポニーテール。
ショルダーバッグに必要なものを全部詰め込めば準備OK。
クロたちが来る時間まで余裕があるからと掃除なんかしてたらスマホが鳴る。
画面を確認すれば、やっぱりクロ。
「着いたぞー。入り口んとこ路駐してるから早めになー。」
『ごめん!すぐ出るね?』
カバンを持ち階下に向かえば、運転席にクロ。そして2列目には木兎。
2人とも動きやすいようにジャージだ。
まあ、私も一応ジャージ持ってきてはいるけどね?
助手席に乗り込めば後ろから木兎の太陽みたいに明るい声。
「みゆー!久しぶりー!」
『木兎は変わらないね?実業団ではどう?』
「毎日バレー漬けでむちゃくちゃ楽しい!」
木兎と話そうと助手席から身を乗り出すと、おい、とクロが私のおでこを指で突く。
「出発するからシートベルト。さて、差し入れは何にする?お二人さん。」
『スポドリの粉は必須じゃない?あれはもらって嬉しくない学校ないと思う。』
「後なんか食えるもんとか?」
食べ物か…
やっぱり定番の冷たいもの?
『アイスとか?暑いから少しでも体冷やせるように。』
「そういやあ去年はスイカ食ったな。」
うーん、悩むなぁ…
なんか3人で悩むより、直接聞いた方が早い気がしてきた。
『だったらリクエスト聞いた方が早くない?』
私はそう言いながらスマホをカバンから取り出す。
「美優、誰に電話しようと…」
『直井コーチ。多分携帯身につけてると思うし、確実でしょ?』
そう言いながら私はスマホをタップし、直接直井コーチに電話を入れた。