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あいつはねこまのわんこ系少年 そのにっ【HQ】

第1章 卒業、そしてはじまり。



レイラさんの提案を聞いたリエーフは目がキラキラ。
良彰さんとレイラさんはにこにこ。

私はリエーフと離れたくないからいいけれど…
これは…私1人の問題じゃない。
そう思い、良彰さんに向き合う。

『流石に私1人では決められないので、父に連絡してきてもよろしいでしょうか?』

「当たり前だよ。いってらっしゃい。」

『少し席を外します。』

私はカバンからスマホを取り出すとブッフェの外に出る。

そしてアドレス帳から”父”の文字を探し、タップするとスマホを耳に当てた。

今日は珍しく1発で出たので喋り出すのに時間がかかってしまった。


「もしもし。」

『あ……お父さん。』

「何の用だ。」

『あ、あの……





家に人を住まわせてもいいでしょうか。』



そう。
レイラさんからの提案。

せっかく高校生活を楽しんでいるのだからリエーフは日本に居させてあげたい。
今までも私の家に泊まりに行っているのだから、リエーフのことをお願いできないか、ということらしい。

泊めると住むじゃ大違い。
未成年の私1人の意見じゃ何かあったときに責任が取れない。
そのためこうして父に連絡した、というわけ。

「あの、家で会った少年か?」

『そうです。お願いできませんか?』

「別に構わない。」

『ですよね…無理ですよね……って、えっ⁈』


OK出ちゃったけど!
今まで否定ばかりされてきたから驚きを隠せず声を発せずにいれば、父は言葉を続ける。

「あの少年であれば別に構わない。」

『どどどどうして⁈』











「あの少年なら、大丈夫、そう思ったからだ。」

ああ、認めてくれているのか。
今の言葉だけで涙が出そうなくらい嬉しい。

『ありがとうございます。相手方のご両親とお話して決まったことは後ほどメールで送りますね?』

「ああ。」

その時電話の中、遠くから父を呼ぶ声が聞こえる。

「すまない、急患だ。」

『いえ、お忙しい中失礼しました。』

そう言い電話を切ろうとすると、小さな声が電話口から聞こえた。













「卒業おめでとう…美優。」


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