第6章 止まらないモヤモヤ。
『ずるい…って?』
私がそう聞けば、リエーフは潤んだ瞳でこちらを見て言う。
「美優さんは俺にあんな表情見せてくれないじゃないですか。」
不思議に思い詳しく話を聞けば、リエーフは5月にあったオープンスクールにちゃっかり見学に来ていたらしい。
だからオープンスクールの後デートで様子が変だったのね?
「あの時の美優さん、すげー子供っぽく笑ってた。
あんな顔、俺見たことなくて…すげーもやもやして…」
私も同じ。
私も最近のリエーフを見ていて心がもやもやしたし、写真を見たらもっともやもやした。
そっか。
私、見たことのないリエーフの顔を引き出しているこの女の子に嫉妬したんだ。
もう…私、馬鹿だな。
私は拘束され体を動かしづらそうにしているリエーフの体に乗り、何度もなんども口付ける。
私の行いにびっくりしているのかリエーフは戸惑った声を上げる。
『リエーフは私のこと、好き?』
そう問えば、すぐに返る私への愛の言葉。
「好きです。大好きです!美優さんにどんなに嫌われても、俺、美優さんだけを好きでいられる自信あります!」
なんだ。
私、勝手にもやもや考えて…
本当に馬鹿みたい。
リエーフが私を好きで、私がリエーフを好きならそれでいいじゃない。
気持ちが吹っ切れたからか胸のもやもやもなんだかすっきりした。