第6章 止まらないモヤモヤ。
けんまは知ってる情報を淡々と話し始めた。
「ここ最近、1年女子がリエーフにつきまとってる。
犬岡と芝山にも話聞いたけど、昼休みも教室まで押しかけて一緒にお昼ご飯食べてるらしいよ。…そして。」
『問題は、リエーフが嫌がってないってこと。違う?けんま。』
「そう。不思議なのは、美優のことあんなに好きって言ってるリエーフが、美優の耳に入りそうなこと…お昼食べたり平気でゴミ持ち帰ったりとかしてること。」
けんまはふうとため息をつくとまた、話し始める。
「リエーフだって馬鹿じゃないんだから、流石に美優にバレて嫌なことは隠れてやるでしょ。」
『リエーフ、何か隠してる…』
「ってことで美優、見に来てみる?部活。」
…は?
『いやいやいや、どういうこと?けんま。』
私がそう突っ込めばけんまは私に提案をする。
「おれの話だけじゃなく、実際見ちゃった方がいいんじゃないかなって思って。
まあ本音を言えば、リエーフが他の女にうつつ抜かしてる間におれは美優に会いたい。
ねえ、美優。早く俺のものになってよ…美優。」
どさくさに紛れてちゃっかりされた愛の告白に、私の頬は赤くなる。
『ちょっ‼︎けんま!』
「まあ、来るならおれに連絡して?体育館開けておく。」
実際見てしまった方が納得するのはわかる。
でもその場を直視してしまったら、私冷静でいられる自信がない。
何も言えずに黙り込めば、けんまはぼそりと私に言った。
「じゃあ…」