第6章 止まらないモヤモヤ。
最近、リエーフのようすがおかしい。
最初はリエーフのものでない可愛らしい女の子って感じのタオルを持ち帰ってきたのが始まり。
それからお弁当の包みの中に手作りのお菓子の包みや、うちのものでない小さな可愛らしい密封容器(中身なし)が入るようになった。
そして極めつけは…
最近やけにスマホを弄ってること!
前までは「スマホより、美優さんと一緒にいる方が大事!」とか言ってたくせに…
はあとため息をつけば、私のスマホから着信音。
画面を見れば…けんまだ。
珍しいな。そう思いながらスマホをタップし耳に当てると聞こえてきたのは懐かしい声。
「…もしもし、美優。おれ…」
『どうしたの?けんま。電話なんて珍しいじゃない。』
「おれが声、聴きたくなった。あと、証拠を残したくないから。」
証拠…?
どういうこと?
そう聞き返そうとする前に研磨が私に聞く。
「ねえ、リエーフ近くにいる?リエーフに聞かれたくない話…なんだけど…」
えっと…リエーフは…リビングのソファでスマホいじりながらテレビを見ているみたい。
「ちょっと待って?場所変えるから。」
そう言うと私はリエーフに声をかけ自室に戻り鍵をかけた。
「研磨大丈夫だよ?どうしたの?話って。」
「最近美優からみてリエーフにおかしいって思うところ…ない?」
私が今、ものすごく気になっていたことをけんまはズバリ、言い当てた。
これは情報が聞ける。
『けんま…あのね?最近リエーフ、スマホばっかり気にしてるの。あと、手作りのお菓子の包み持ち帰ってくるんだ。』
「ふうん…」
『ねえ、けんま。何か知ってるんだよね。』
知らなかったらけんまはこんな電話をかけてこない。
知ってる情報全てをつなぎ合わせ最後に1つにまとめる。
そのために私に電話をかけてきたんだ。
私がけんまに質問すれば、けんまは淡々と今起こっていることを教えてくれたんだ。