第6章 止まらないモヤモヤ。
side灰羽
最寄りの駅から電車に揺られて数十分。
駅から徒歩数分少々。
そこに美優さんの通う専門学校はあった。
場所は知っていたけど、実際に建物を見たのははじめてで謎の感動を覚えた。
「本日行われる学校見学の方はこちらになります。」
美優さんの上級生だろうか。
案内の人が声がけをしている方向に向かうと、校舎の方に人が流れていくのが見える。
その流れに乗って、俺は校舎に足を踏み入れた。
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案内された教室に足を踏み入れるとできるだけ目立たない端の方の席に座る。
しばらく経てば先生らしい人が前の教卓の前に立ちオープンスクールが始まった。
つまらない偉い人の話や興味のない学校の概要、カリキュラムの話などを流し聞く。
気のせいか、俺の周りにいる女の子の目線がこっちに向いている気がするが、どうでもいい。
早く美優さんを見たい。
早く美優さんに会いたい。
ただそれだけを考えていた。