第6章 止まらないモヤモヤ。
side灰羽
今日は連休最終日。
俺は休みだけど美優さんは登校日なので学校だ。
『リエーフ、ごめんね?行ってくるね?』
「気にしないでください。終わったら連絡ください。」
俺は家を出辛そうにしている美優さんを一度ハグしたあと、そっとおでこに乗った髪の毛を上げ空いたところにキスを落とす。
美優さんは頬を真っ赤に染めながら、家を出て行った。
いつもの俺ならこのままベッドにダイブして2度寝。
それからゆっくり出かける準備をして待ち合わせの場所に向かう。
でも、今日は違うんだ‼︎
美優さんにオープンスクールのことを聞いた後、俺はすぐにネットで調べたんだけど、今回のオープンスクールは進路のために!なんて堅苦しいものではなく、学生なら誰でも見学OK。
それも私服OK。
これは美優さんの学校生活を知るチャーンス!ってことで、行くことにしたんだ。
ってことで俺も急いで準備しなきゃ。
とりあえずやらなきゃいけない家事を終わらせた後、俺は自室のクローゼットを開けた。
オープンスクールに行ったことがバレたら、きっと美優さん怒るだろうなぁ。
少しでもバレないように、変装変装っと…
1番バレやすい髪の色を隠すには帽子だけど…今日は黒の中折れハットかな?
それに合わせて、白のワイシャツと黒のサスペンダー付きのサルエルパンツ。後は黒のかっちり目のベスト…かな?
靴はいつものハイカットのスニーカー。
いつものドラムバッグに財布とスマホ、ペンギン印のICカード。一応適当なルーズリーフとペンを入れる。
そうだ。確か俺、美優さんの家に持ってきてたはず。
ふと思い出し俺は引越しの際に持ってきた段ボールをがさがさ漁るとそれは見つかった。
何かで使えるかなと前に買っていたブラウンのカラコン。
それを入れたら完成!
俺、完璧じゃね!と、自画自賛をしていれば時間はあっと言う間に過ぎ、気づけば家を出ようと考えていた時間を過ぎていた。
「やっべ!遅れるっ!」
俺はカバンを引っ掴むと急いで家を飛び出した。