第1章 卒業、そしてはじまり。
「美優…大丈夫かい?」
『だっ…大…大丈夫っ…です…』
息が切れしゃがみ込む私を心配そうに見守る2人と怒られてしゅんとするリエーフ。
「レーヴォチカ…ミユの様子みながら走らなきゃダメじゃない。遅れそうなら連絡。ミユを急かさない。」
「ごめんなさい…」
ブッフェの前ではリエーフの両親が心配そうに待ち構えていた。
両親を見つけたリエーフは私のことなんか忘れたみたいに一気にトップスピード。
さすがにヒールじゃ追いつけないいいいい!
もつれそうになる足を必死に動かした。
それを目ざとく見つけたのはレイラさん。
リエーフにストップをかけてくれた。
結果、私はしゃがみ込み、リエーフはしょんぼり。
最近まで高校生だったって言ってもリエーフのスピードにはついていけないよ…
切れた息を整えているとリエーフのお父さんで良彰さんが話しかけてくれたってわけ。
良彰さん今日もイケメンですね。
やっと整ってきた息。
すうっと吸って前を向けばしょぼんとしたリエーフ。
「美優さんごめん。」
『ううん。大丈夫。』
「じゃあ、行きましょうか?」
そう言いながら差し出される腕。
その腕に私は手を絡めながらリエーフの両親の後を追いかけた。