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あいつはねこまのわんこ系少年 そのにっ【HQ】

第28章 ねんまつねんし、再。〜第三体育館組、集合前夜〜



鍋は奪い合いの後すぐに具材がなくなってしまったので、冷凍庫にあったシーフードミックスやお肉、お野菜も追加で入れたのに、それすらも煮えた途端にお腹の中に収まった。
締めは満場一致で麺。麺ともやしミックスが柔らかくなったらウインナーと卵を人数分ぽとん。ついでにチーズを惜しみなくかければ、美味しい締めラーメンの出来上がり。
苦しそうだった蛍すらも瞳を輝かせるほどで、4人で分けると鍋はすっかり空になった。
苦しそうに寝転ぶ蛍やクロに布団を敷くのと先のお風呂を任せると、私は洗い物を持つ。私の意図が分かったようで、リエーフは残りの洗い物を持ち私の後ろをついてきた。

「うちだと辛い鍋ってあんまり食べないから新鮮でしたね。」
『だね。たまに辛いのもありかも。またやろうね。』

食器をシンクに置くと、カセットコンロを片付けてくれるリエーフ。
その間に茶碗やカトラリーを洗いシンクを空けていけば、洗い終わった茶碗を拭いてくれる。その間に廊下を進む足音で、蛍がお風呂へと移動したのを確認すると無意識にふう、と息を吐いた。

「美優さん、疲れちゃった?」
『んーん、何で?』
「今ため息。」

指摘され気づくと、隣のリエーフが私の顔を覗き込む。

「無理は…?」
『しません。今日は準備も終わったし、明日はそんなに忙しくないから大丈夫。あ…』

意味深な答えに布巾を置きこちらに向き直るリエーフ。心配してくれているのはわかっているけれど、これくらいいいよね、と近づく顔に唇を寄せる。

「んむ……我慢、してたんですよ。」
『私だって。』

不服そうに唇を尖らせる姿にくすくすと笑みを溢すと、リエーフに腕の中に閉じ込められる。

「…今日、少しだけ部屋行っていい?」
『えっちは、だめだよ?』
「わかってます…」

わかってると言いながらも尖る唇はそのまんま。
その唇に口付けると、どちらからでもなく笑みをこぼした。
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