第28章 ねんまつねんし、再。〜第三体育館組、集合前夜〜
勉強を終えた高校生組とクロが夕飯を作るために道具を持っていくのを見送りながら、私は料理の再点検。
今日まで仕込んだ明日の仕込む分の下拵えも終わらせればふわりと香る良い香り。
…あれ?
唐辛子を含んだ辛味のある香りにつられるようにリビングへと向かうと、3人が鍋を囲んで座っている。
『辛そうな香りだけど、今日って何鍋?』
「今日はこれっす!」
まとめられたゴミの中の指さされたパッケージを見れば納得。これはご飯が進みそう。具材を聞けば美味しそうなものばかりだが、少しだけ首を傾げる。
『辛味系ってホルモン入れると美味しいよね。ホルモン…入れてない?』
「そういやあ入れてねえな。でも今から買いに行くのもなぁ…」
あれ、そういえば…確か先日クロたちと自宅で焼肉をした時に、準備はしたけれど出すのを忘れていたホルモンがあったような…
リエーフも思い出したのか、立ち上がると多分冷蔵庫へと取りに行き、戻ってくる。
味付けもしていないそれをそのまま鍋に入れようとするリエーフを止めると、凍ったホルモンを水と調理酒を鍋に入れて一煮立ち。お湯を切って持っていくと、そのまま鍋へと投入した。
白米に辛味のあるホルモン…絶対美味しい。
みんなも同じことを思っているようで、早くご飯を食べたいと鍋を見つめている。
いつもより時間は早いけれど食事を促せば、みんなは何も言わずに手分けして食事の準備を始め、ものの数分で準備が完了してしまった。
流石。