第28章 ねんまつねんし、再。〜第三体育館組、集合〜
リュック二つにぎっしりだった荷物を今使うものと後で何とかするものに分けて蛍に冷蔵庫に入れてもらいつつ、冷凍庫に残っていて今から使うものを取り出していく。
業務スーパーで買った大容量パックの挽肉とみじん切り済みの玉ねぎをおろしニンニクとしょうが、バターで炒めていく。火が通ったのを見計らってにんじん、じゃがいもなどが入ったミックスベジタブルとトマト缶、コンソメを投入すると弱火で沸騰するまで煮込む。最後に火を止めカレールーをひとかけら、そして塩胡椒などで味付けしたら簡単カレーの完成。
野菜を切ることもなし、手間のかかる下ごしらえもなし。だからすごい楽。それにカレールーを入れないで塩胡椒や砂糖などで味付けしたらミートソースにもなるからパスタの気分の時はそっちにしたりもするかな。
そんな風に蛍に伝えながら味見をしてもらえば蛍の頬が緩む。蛍のお気に召したようだ。早く食べたくて仕方がないって顔をする蛍に、お手伝いをしてくれたお礼も含めて先にカレーを盛り付けてもらうと、蛍はるんるんでいつもより少し多めにカレーを盛り付け先にリビングに向かう。
それを見たらしいリエーフ、ばたばたと音を立てながら一目散に台所にかけてきた。
「美優さん俺の分はー!」
リエーフはこの簡単カレーが好きで、作り方を教えたら1人ご飯の時に自分で作って食べるくらいには好き。
たくさん作った話をすれば、リエーフは終始にこにこでご飯とカレーを盛る。大好きだからと山盛りに盛られたカレーを見ていると、このお腹のどこにそんな量が入るのかと苦笑する。
その姿が不思議だったのだろう。リエーフは私を不思議そうに見て首を傾げた。
「美優さんどうしたの?」
『んー、ないしょ。』