第28章 ねんまつねんし、再。〜第三体育館組、集合〜
昨日買ったパンが食べたくて朝食は簡単に。
ウインナーにほうれん草とチーズとツナの入ったオムレツ。野菜のコンソメスープ。
みんなでそれらを食べ終わらせ出かける準備。…出かけると言っても近所のスーパーくらいだからラフな格好の予定。
私は黒色の大きめスウェットにスリット入りのオフホワイトのペンシルスカート。財布を取り出しやすいようにショルダーバッグにした。日差しはそこまでじゃないから帽子はなし。髪の毛は…緩く束ねようかな。
鞄を持ちリビングに戻れば準備の終わった2人がいる。
蛍は白のTシャツの上にダークグレーのカーディガン。下は細身の黒デニム。マフラーを持っているから防寒対策かな。
「美優さん、髪の毛させて?今日買い物だけだから編み上げとか三つ編みとかどう?」
そう聞いてくるリエーフもラフな格好。白のハイネックに黒のジャージ、黒のカーゴパンツにボディーバッグを身につけたリエーフは私のヘアアクセなどを入れたセットを持ってくる。私はいつもの定位置であるラグの上に座ると、その後ろに座ったリエーフが私の髪にブラシをかける。そして器用に編み込むと選んでいたヘアゴムで上手に括った。
「ん、出来上がり。今日も可愛い。」
いつものように仕上げの最後に項に口付けながら、リエーフは私に可愛いの魔法をかけてくれる。
『ありがと。』
頬を緩ませながらリエーフにお礼を言うが、横から片方の三つ編みが軽く引かれる。
「買い物、行くんデショ?」
完全に2人の世界だったことに気づきリエーフから離れるがそのまま体を引き寄せられる。
「もーツッキー、これくらいいいじゃん。」
「別に悪いって言ってないし…」
後ろから抱きしめる腕に頬が熱くなるが、じと、とこちらを見る蛍の視線に耐えきれず腕をタップする。
『リエーフ、そろそろスーパーにいくから、ね?』
腕が緩むとその腕から抜け出すと少しだけ乱れた髪を大きな手が柔く撫でた。