第28章 ねんまつねんし、再。〜第三体育館組、集合〜
あのあと、全員の予定が決まり31日には集まれることになった。
高校生組は全員の春高出場が決まったし、リエーフは修学旅行にも行った。クリスマスには音駒と梟谷の合宿の食事係に引っ張り出され、その後も面倒ごとに巻き込まれてしまった…そこは割愛はするけれど、大変だった…
そんなこんなでリエーフも冬休みに入り、年末までもう少しの12月28日。
私とリエーフは何故か大宮駅にいた。
全員集合は31日だったはずなのに、28日に大宮駅にいるのには理由がある。
それは12月の中旬まで話を遡ることになる。
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12月の中旬、夕飯の後に鳴った通知音。
それは蛍からで電話がしたいとの連絡。
そのまま電話をかけてみれば、珍しい蛍の歯切れの悪い物言い。
「あの……28日からの美優さんたち予定は…」
『28から?大掃除と買い出しとおせち作ったりするくらいだよ。蛍何かあった?』
「…あの、急なんですが、28日からからそっちに泊まらせてもらうことってできたりしますか…?」
……ん?
28日から…
カレンダーを確認すれば、リエーフも前日で部活が終わり28日からおやすみ。
やることといえば、大掃除におせち作りなど細々としたことだから蛍にとってはつまらないと思うのだけれど…
『こっちは構わないけど…東京観光とかあんまりできないかもよ?』
「そういうのが目的じゃないんで…」
『じゃあ、何。』
少しだけ強めに問いただせば、長いため息を吐いた蛍が理由を話し始めた。
母方の家族が体調を崩してしまったため、蛍の家族は蛍が冬休みに入ってすぐに県外の母の実家に向かうことになったらしい。
自分1人で家に残ることはできるが、蛍のお母さんが納得しないようで…そのための提案なのだそうだ。
『構わないけど…』
話の途中から来たリエーフにも聞かせるためにスピーカーにしていれば、隣のリエーフは深く頷く。
『こっちでの受け入れはOK。あと、帰りは?』
「先に春高の荷造りはするんでこっち出発する前日までに帰れば…」
カレンダーを確認すれば、春高は4日から。
確か烏野は前日の3日には現地入りするって言ってたから2日の午前あたりかな…
『じゃあ28日から2日までね。…蛍、わかってると思うけど、お母さんとお話させてほしい。』
そう私が伝えれば、蛍は数秒の後、了承するように返事をした。