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あいつはねこまのわんこ系少年 そのにっ【HQ】

第27章 2回目の誕生日



微睡の中にどこかから声が聞こえる。
まだ寝ていたい、そう思うけれど、私の名前を優しく呼ぶその声にゆっくりと瞼を開くといつものグリーンの瞳が私を覗き込む。

『りえ…?』
「ちょっと早いんですが…今日の予定聞き忘れちゃったから。今日って朝からですか?」
『ん、あさから…』

今日の講義は朝からのはず。そう思いながら目を擦り体を起こすけれど、寒さで布団に戻る。

「ああー、美優さん風呂入らないと学校行けないー!」

その言葉で開いた瞳。そうだ。昨日リエーフの誕生日だからってご飯に行ってそれで…
夜のあれこれを思い出し顔に熱が集まり布団を被る。しかし布団の中で、何も身につけていないことに気づきさらに顔を赤く染める。

「美優さんごめんなさーい!あの後俺も寝ちゃったから風呂行けるように準備してるからー!今5時半!」

ゆさゆさと外側からゆすられる体。そんなことを言われても恥ずかしいものは恥ずかしい。布団の中に包まっていれば抵抗むなしく結局はリエーフに布団を剥がされる。

『ひゃっ、…寒い…』
「ちょっと待ってください、上着上着…」

いくら暖房がついてるとはいえ、何も身につけていないのは流石に寒い。起き上がり体を抱く。それを見たリエーフは家着にしているパーカーを私に差し出すと私の方を向きしゃがみ込み私の方を向いた。
「美優さん、1人で風呂行けそう?」
『わかんない、かも。』

手渡されたリエーフのパーカーを羽織りベッドから立ち上がれば…動けないほどではないけれど、やっぱり体は痛い。

「美優さんごめんね。」

立ち上がった体を抱えられ、そのままお風呂に向かう。私が起きる前に先に入ったのだろう。ふわりと香るボディーソープの香りに顔を埋めると頬を擦り寄せた。

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