第25章 新学期、はじまり
唇の隙間からお互い名前を呼び合い、達した余韻に浸る。
名残惜しそうに離れた唇が、夜闇で艶やかに光るのが見える。
思わず唇を追いかけてひと舐めすれば、リエーフの唇が弧を描いた。
「美優さんのえっち。抜きますよ?」
リエーフの言葉に小さく頷けば、少しずつ引き抜かれる陰茎。息を吐き快感を逃していれば、抜けた途端背中に肌が触れる。
「美優さん、俺だけなの?」
すり、と擦り寄り抱きしめられる体。行為後で少し掠れた声が耳に吹き込まれ、思わずふるりと体が震える。
もちろん、言ったことは覚えている。しかし体の熱が冷めた今、聞かれるのは恥ずかしい。
しかしそんなことはお構いなしのようで、唇を寄せていた耳に柔らかな刺激と水音が広がれば、観念して唇を開いた。
『ん。最初から今まで……リエーフとしかシてないもん…』
そう伝えれば、腰のあたりに再び硬い熱。
もうしないと伝えても、勃ち上がる熱は収まる様子がない。
「美優さんが嬉しいこと言うからですよ。」
やっぱり私はリエーフに甘い。甘えられるように言葉を耳に吹き込まれれば、否定の言葉も肯定に変わってしまう。肩の上にあるリエーフの頬に手を寄せ口付けると、そのまま熱に腰を擦り付けたのだった。