第25章 新学期、はじまり
「覗き見はだめですよ、美優さん。」
名前を呼ばれ、大きく肩が跳ねる。後ろをゆっくり振り返れば、私が覗き見ていたドアは先ほどよりも開け放たれ、リエーフがこちらを見ていた。
うそ…気づかれてたの…
「美優さん視線強すぎ。流石にバレちゃいますよ。」
くすくすと笑いながら私の前に来るリエーフ。
きっと赤面しているであろう私の頬を、リエーフの手が撫でる。
『え、と…わざとじゃ…』
「でも、俺が1人でシてるところ見ちゃったんですもんね?美優さんのえっち。」
行為のあとだからだろうか、いつもより体温の高い手と煽情的な瞳に思わず息を飲み込む。
いつの間にか腰に回された手は私が逃げ出さないように後ろで組まれリエーフと密着させられている。
…密着しているから、当たってる。
『リエーフ、今…』
確かにさっき、欲を吐き出していた。それはちゃんと見ていた。しかしリエーフは私の中途半端な言葉を読み取り額に口付ける。
「1回で収まらないですよ。見られちゃったし、少しだけ付き合ってもらってもいいですか?」
タイミングが良いのか悪いのか、明日は土曜。私は休み…だけど…
「高校生の体力舐めないでください。午前の部活くらい行けますって。」
すり、とお腹にすり寄せられる勃ち上がったモノ。今だに熱くて硬いそれに思わず息を呑む。
リエーフの腕の中から顔を見上げると、眉間に皺を寄せた。
『朝ご飯とおべんと…作れくても許してね…?』