第24章 4人、ベッドで。
クロとリエーフのスマホを見ながら莉奈ちゃんは頬を膨らます。
「良いなぁ。去年音駒の文化祭来ればよかった。」
『ふふ、残念。莉奈ちゃんは今年何やるか決まった?』
膨らむ頬が戻れば、へへ、と莉奈ちゃんが可愛らしく笑う。
「焼きそばと唐揚げを浴衣で提供する、屋台風喫茶です!うちのクラス料理上手な子がいるんです。担任からのお墨付きなんで間違い無いです!」
私の担任だったマサちゃんが言うなら間違い無いのだろう。3年間いろんなものを食べさせてきてしまったから。
ふと思い出す、私のご飯を褒める言葉。
"この味どんぴしゃのメシ作ってくれる嫁来ねえかな。"
あの時は意識していなかったけれど、気持ちを伝えられた今、こんなにストレートに気持ちを伝えられていたのかと、自分の鈍さに呆れると同時に、マサちゃんのストレートさに今更ながら照れてしまう。
思わず赤面してしまえば、目ざとくリエーフに指摘される。
「美優さん…?」
『いや、なんでもないよ⁈』
「じゃあなんで顔赤くしてるんですか!誰のこと思い出したんですか?」
「ほら、痴話喧嘩はやめとけって。つーか、リエーフは何するんだよ。」
うまく話を振ってくれるクロに感謝をしつつ、私も話を振る。
『そういえば私も聞いてない。何やるの?』
「今年はお化け屋敷っす…」
お化け屋敷か。私はやったことなかったから新鮮。
聞いてしまえば行きたい気持ちがうずうずする。多分クロにも伝わっているのだろう。向いた視線に目配せをすれば、来るんですか、と明らかに下向きな声。
いつもなら行事ごとは楽しそうにするのに何でだろう。
でも、自分から言い出さないってことは聞かれたくないんだろうな、とあまり触れずに食事を終えた。