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あいつはねこまのわんこ系少年 そのにっ【HQ】

第24章 4人、ベッドで。



廊下を歩く音で目が覚める。
寝ぼけ眼で時間を確認すれば起きるのにちょうど良い時間。
リエーフの腕からそっと抜け出し、額に柔く口付けるとくしゃっと眉間が歪んだ。これを見るのが好きで、ついやってしまう。
洗面所…お風呂はシャワーの音がするから使用中。キッチンで顔を洗うと、コーヒーを淹れる。
やっぱり眠気覚ましにはこれだな。時間もあるからゆっくりと飲んでいれば、扉が開く音。ドライヤーの音。そしてこちらに近づく足音が聞こえて、クロがキッチンに顔を出した。

「美優、コーヒーもらっていいか。」

『クロ、ちょっと待っててね。』

お湯を沸かし直している間にコーヒーを準備。その間にクロは濡れた頭をタオルで拭いていた。

『莉奈ちゃんと一緒に乾かしてくればいいのに。』

「シャワー浴びても眠いんだからしゃーねーだろ。先に眠気覚まし入れて、それから乾かしてくる。」

沸騰する手前で止めたお湯をマグカップに注ぐ。ふわりと香るコーヒーの香りに思わず微笑むと、クロに手渡す。

『クロ、莉奈ちゃんのこと、大好きじゃん。』

自分のマグカップからコーヒーを一口飲みながら視線を送る。
目があったクロの目元は柔らかく細まる。

「ああ、正直ずっと好きだったお前より好き。」

見つめられた瞳に嘘はない。思わず微笑むと、クロはぐい、とコーヒーを飲み干す。

「今日の飯、何にする予定?」

『今日は昨日買った食パンがあるからフレンチトーストにするか、目玉焼きのっけたやつにするか迷ってる。』

「目玉焼き乗ったやつ食ってみたいわ。」

『了解。じゃあ作っちゃうね。まだリエーフ起きてないけど、テレビとか勝手に付けてていいから好きにしてて。』

「おう。莉奈の様子見て髪乾かしたらリビング行くわ。」

ありがとうな。そう言いマグカップを私に手渡し、クロはキッチンから出ていく。
そのありがとうは、コーヒーのお礼なのか、他にも意味があったのか。
それは私にはわからなかった。

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