第24章 4人、ベッドで。
「確かにな。美優のことは好きだぜ」
冷房のせいか、冷やされた部屋に身震いをする。微睡と現実の間。ふわふわと漂う意識の中、私はクロの声を聞く。
本来では聞かない方が良い言葉なのはわかっている。しかし、そういうときに限ってなかなか夢の中に意識を飛ばせない。
「でもそれはもう友人としての話だ。」
柔らかな声音。
嘘ではない言葉にリエーフはなぜかと問いかける。
「なんでって…ねえ…そりゃあ莉奈がいるからな。」
「莉奈をカモフラージュにしてたりとか…」
「ねえって。確かに最初は傷の舐め合いだったけどな。莉奈はどう思ってるからわかんねえが、俺は本気。じゃなきゃ初めてなんて奪えねえ。」
「……莉奈のどこが好きですか。」
「言わせんのかよ。まずは笑顔が可愛い。デレがすごい。飯食う時の顔。失敗した時の情けねえ顔。俺と似てきたところ。……あと、セックスに馴染んで俺だけのカラダになってきたところ。まだ言わせるのか?」
「いや…流石にそろそろ美優さんが恥ずかしそうなのでやめておきます。」
…ん?なぜ私の名前が出てきた。
「起きたんでしょ?美優さん。」
…目を瞑っていても2人分の視線が突き刺さるのがわかる。そっと目を開けばこちらを向くきらきらのエメラルド・グリーン
『なんで…わかったの?』
目は瞑っていたのに。そう聞けば、リエーフは頬と目尻を指先で優しく突く。
『目尻に力入ってたのとほっぺが真っ赤です。話聞いてなかったらそんなふうにならないですもんね。』
おっしゃる通り…
体を起こしてクロを見ると、優し気に莉奈ちゃんの背中を撫でている。
『私たち部屋移動するから、クロ達ここ使って?お風呂も時間気にしないで使っていいからね。』
「おう、助かる。風呂は莉奈起きたら使わせてもらうな。」
さっきの情事で羞恥が残る分、クロとはまだうまく話せない。リエーフに甘えるように首に腕を回すと、お風呂に行きたいと促し、私とリエーフは部屋を出た。