第23章 今年も夏休みは終わらない⁈〜4日目、東京!〜
みんなと合流後、駅のお土産コーナーをめぐる。
年末に食べて美味しかったメープル味のバウムクーヘンとそのお店のクッキーとフィナンシェの詰め合わせを購入。
チーズケーキ専門店のチーズケーキ、焼き上げる工程が見られるバターサンドなど、美味しそうなものを少しずつ購入。
その中のクッキーとフィナンシェの詰め合わせとバターサンドを一つの袋にまとめると蛍に渡す。
『はい、お土産。』
「毎回毎回…別にいいですって。」
『蛍が良くても私が嫌だ。ちゃんと持ち帰ってね?』
そう言って胸に荷物を押し付けると、蛍は渋々受け取った。
時刻見ればもう4時半。
そろそろ蛍が帰宅する時間。
蛍もそれに気づいたらしく、ああ、と呟いた。
「もうすぐ新幹線の時間ですね。」
17時20分発東北新幹線の出発時間が近づいている。
東京駅に入った時点で蛍の荷物はコインロッカーに預けてある。
「僕、そろそろ行きますね?」
「またなツッキー、って夏休み明けたらすぐ合宿じゃん。」
「そうだね。でも新幹線移動じゃないんだよね。バス移動しんどい。」
「あー、烏野はバス移動なんだ。」
「赤葦さんのところみたいにお金持ちじゃないですから。うちの高校あんなに設備良くないですしね。」
そんな話をしながらロッカーの荷物を取り出した蛍は、スーツケースを開くと私が渡したお土産をしまう。
そしてぽんぽんと私の頭を撫でると、じゃあ、と一言呟いて改札を抜けていった。