第23章 今年も夏休みは終わらない⁈〜4日目、東京!〜
蛍が見えなくなったのを確認し、車に向かう。
帰りは運転席にクロ、助手席は莉奈ちゃん。
2列目に私とリエーフ、3列目が赤葦と木兎が乗った。
帰宅途中までは順調だったのに、途中木兎がお腹が空いたとごねたため急遽焼肉のチェーン店に入り食べ放題で焼肉を食べることになった。
よく食べる2人に圧倒されながら私もほどほどにお肉を食べ、お腹は満足。
食べた後、家に戻れば赤葦と木兎は「今日中に帰るって言ってるから帰るなー。」と帰宅する。
…駐車場に残ったのは音駒4人。
そう、約束の4人。
そう自覚した瞬間、恥ずかしさが勝りその場から逃げ出したくなる。
『わ、たし、コンビニ…』
「帰りますよ?あと、荷物届いてるか確認しましょうね?」
にやり。
笑ったリエーフに手を握られ、逃げることもできない。
心臓が痛いくらい鳴って、苦しい。
『あ、の。』
「あの、何ですか?」
私の目を撃ち抜くエメラルド。
やめない?
そう、出そうになった言葉が喉に張り付き、別な言葉を紡いだ。
『何でも…ない……』
「何でもないなら行くぞ?美優。」
ニヤリ、クロとリエーフが笑う。
莉奈ちゃんはクロの腕にくっつき赤い顔をしている。
帰ったら、凄いことが待っている。
気持ちが落ち着かないまま、私はみんなの後を追いながら家に帰ったのだった。