第23章 今年も夏休みは終わらない⁈〜4日目、東京!〜
濃いけれどあっさりしたつけ麺を食べて大満足の私と木兎。
お店を出て先ほどみんなと別れた場所に行けば、先にクロが待っている。
『クロー?』
「あれ?お前ら2人か。珍しい。」
「そうか?」
「リエーフは?」
『赤葦と牛タンネギ塩食べに行ったよー?』
そう言うとクロは、は?と声を出す。
「アイツ、美優と一緒じゃないとやだー!って言って一緒に食いに行くのかと思ったんだけど…」
『子供じゃないんだから…』
なんて話をしていれば、私を呼ぶ声。
声の方を見れば遠くから見えるひときわ高いシルバー。
途中で合流したらしいゴールドも隣にいるけれどうんざり顔。
唇に人差し指を当てて注意はするけれどリエーフは聞きもせず私に一直線。
「みーゆさーん!!」
『リエーフ…声おっきいってば…』
「いつも思うんですが、美優さんとリエーフ先輩って飼い犬とご主人様みたいですよね。」
「一ノ瀬、それは言わない約束ってやつデショ…」
『莉奈ちゃん、蛍、聞こえてる。』
確かによく言われる。
ご主人様と犬って。
でも最近はリエーフの方が大人びてきてる。
みんなといるときはこんな感じだけど、2人きりの時とか家にいるときの動作が少しずつ大人になってきているのがわかってうれしい。
私しか知らない一面があるのが、すごくうれしい。
1人、後から来た赤葦も合流したことだし…
『じゃあ、次はどこにいく?』
そうみんなに声をかけると、みんなは一斉にスマホに手をかけた。