第23章 今年も夏休みは終わらない⁈〜4日目、東京!〜
食券を購入し、席に座る。
店員さんに食券を切ってもらうと、隣の木兎に話しかける。
『木兎は何にしたの?』
「特製つけ麺の大盛り!美優は?」
『私も一緒。普通盛りだけどね?』
ふわり漂う濃厚なスープの香り。
麺を茹でる鍋から漂う熱気。
食べる前から額に汗が滲む。
『汗でメイク落ちそう。』
「美優、ラーメン食うのにそんなん気にしてんの?」
『そんなんって…女は一応身だしなみとして気にしなきゃいけないの。』
そう言いながら鞄からハンカチを取り出しているとでもさ、と木兎。
「化粧しててもしてなくても美優はかわいーんだからいいじゃん。」
歯の浮くような台詞を意図せずさらりと言い放つ木兎。
唐突に言われたものだから、顔が熱い。
丁度つけ麺が来たのでうやむやになったけれど…
ひさびさにに異性に可愛いなんて言われて…
悪い気はしないよね。
目の前から割り箸を2膳取り出し一つを渡すと、木兎がにかりと笑う。
「じゃあ食べるか!」
『そうだね!』
いただきます、そう2人で言うと、私達は目の前のつけ麺を食べ始めた。