第22章 今年も夏休みは終わらないっ!〜3日目、我が家!〜
莉奈ちゃんに布団を敷くのをお願いし、財布を持ち1人コンビニへ行こうとすると、それを待っていたかのようにリビングの扉が開く。
「みーゆさん、行きましょう?」
『リエーフ…』
このタイミングで支払いに行くのわかって待ってたな…
こくりと頷きリビングに声をかけようとするとリエーフが唇に人差し指を立てる。
「黒尾さんに伝えてあるんで大丈夫ですよ?行きましょう。」
リエーフらしいというかなんというか…
まあ、他の人にコンビニ行くってごねられたくないもんね。
私とリエーフはそのまま玄関に向かいそっと家を出た。
コンビニまでは徒歩3分。
リエーフと手を繋いで歩いていれば、ねえ、美優さん、とリエーフが私に声をかけた。
「良いの、見つけました?」
"良いの"
さっき莉奈ちゃんと覗いていたスマホの画面を思い出し、一気に赤面する。
『っ…知らないっ!』
「明日楽しみにしてますね。」
にまりと笑ったリエーフが少し憎らしくて、握っていた手を少し強めにぎゅっと握った。
ちゃっかりみんなに買い出しを頼まれていたリエーフ。
支払いの際、私の支払いの用紙を奪うとそれも一緒に支払いをしだした。
『リエーフ、私払う。』
「黒尾さんに支払いの分もらってきてるんで大丈夫ですよ。
それに、俺からのプレゼントってことで。」
ぱちんと目配せをし、財布を開けたリエーフ。
私のお財布に伸びた宙ぶらりんの手には購入済みの小さなチョコ菓子を乗せられる。
「新商品、どうぞ?」
『ありがと…』
なんだか気恥ずかしいような気持ちが渦巻き、私はリエーフを置いて先にコンビニから出た。