第22章 今年も夏休みは終わらないっ!〜3日目、我が家!〜
できたよとキッチンからみんなに叫ぶと、ぱたぱたと2つの足音。
「美優さん、机拭いてくるので台拭きありますか?」
「向こう、必要なものあります?なければ何か持って行きましょうか?」
先にキッチンに入ってきた莉奈ちゃんに台拭きと鍋敷きを渡し、リエーフにスープのお鍋を渡すと先に行くように指示。
キッチンに残っている蛍には大皿の料理を頼んだ。
その間に人数分のお茶碗と汁椀、グラスと箸を準備。
戻ってきた1、2年生に料理、お皿を頼むとデザートのお皿とスプーンを準備し、私もリビングに向かった。
リビングでは、莉奈ちゃんがスープ、蛍がご飯、リエーフが飲み物をグラスに注いでいるので私も席に着く。
最後の盛り付けが終わり莉奈ちゃんが席に着くと、クロがじゃあ、と喋り出す。
「今回も美優に…いや、今回はツッキーもだな。2人に感謝して食えよー。」
「黒尾さんそういうのいらない。」
「月島照れてる。」
「赤葦さん照れてません」
「からあげ…」
「ぼくとさんっ!よだれ!」
「莉奈、木兎さんにティッシュ!早く食いましょーよ!腹減った!」
『はいはい、じゃあいただきます!』
「「「いただきます!!!」」」
挨拶をした途端どんどん減っていくおかず…もといからあげ。
莉奈ちゃんの分大丈夫かな、とそちらをみればクロがさりげなくよそってあげている。
私も…と思っていればぽぽんとお茶碗に2つのからあげ。
「美優さんも食べるでしょ?」
『あたりまえでしょ?リエーフ。ありがとう。』
お礼を言えば、反対隣からお茶碗に何かが入ってくる。
「僕の作った肉詰めも食べて味の感想おしえてよ、美優さん。」
「あー!ずるいツッキー!」
「ずるくないでしょ。灰羽こそ静かに食べてよ。」
「はいっ!美優さんからあげ!」
「はい肉詰め。」
『ちょ、あの』
「からあげ」
「肉詰め」
「からあげ」
「肉詰め」
『すっ!ストップ!!』
2人が不服そうに私の方を見たけれど、そんなこと言ってられない。