第22章 今年も夏休みは終わらないっ!〜3日目、我が家!〜
『じゃあ今日は蛍。お願いしてもいい?』
そう問えば、指名されなかった2人は膨れっ面。
2人はいつでも手伝えるからとキッチンから追い出せば、リエーフが悔し紛れに叫ぶ。
「美優さんに変なことしたら許さないからな!ツッキー!」
「…灰羽うるさい。」
2人がリビングへ向かったのを見て、私たちは調理を始めた。
「美優さん、今日はなににするんですか?」
『メインは唐揚げかな?冷蔵庫から鳥もも肉だして?』
最初に味をつけておくため、大きめのタッパーに調味料を入れ、そこに大きめの一口大に切ったもも肉をどんどん入れていく。
…蛍が引くほどに。
「見てるだけで吐きそう。」
『自分の家の分とか、お裾分けの分も作ってるからね…』
量にしてもも肉10枚分の唐揚げを作成していればそりゃあ胸焼けするよ。
『でもいつももも肉2枚で食べ切っちゃうよ?次の日のお弁当の分抜かしても。』
「それは灰羽だからでしょ?普通唐揚げなんて4〜5個食べれば十分。」
たしかにリエーフいっぱい食べるもんね…
リエーフが住み始めてからうちの食費、3倍に増えたし…
なんて考えつつももも肉を切る手は止まらない。
他には何を作ろうか考えていれば、蛍が私の名前を呼ぶ。
「僕は何をすればいいんですか?」
…そうだった。
蛍はお手伝い要員としていてもらってるんだった。
頭の中でメニューを組み立て、すぐにできることを蛍に指示をする。
蛍は戸惑いながらもしっかりと動いてくれるのでものすごく助かった。
「美優さん、スープできました。」
『ありがとう。こっちはサラダも完成。』
「あとは唐揚げですか?」
『ううん、もう1つくらいメイン考えたいなぁ。』
唐揚げ、卵と万能ねぎのマカロニサラダ、中華風春雨サラダにとうもろこしとわかめの卵スープ。
他に何作ろうかなぁ…
悩んでいれば私をみている蛍と目があった。
あ、いいこと考えた。
『蛍、作ってみたい料理ってある?』