第4章 新学期。
まあ、クラスどころか廊下でも大騒ぎ。
そりゃあ高校生が年上彼女と一緒に住んでるなんて騒ぎの元よ。
なんで大騒ぎしてるのかわからないって顔をしているリエーフ。
余計なことを言ってしまったとおろおろする芝山。
また余計な仕事が増えると眉間にしわを寄せて深くため息を吐くマサちゃん。
そんな状況をため息をつきながら見守る私。
まさに阿鼻叫喚。
とりあえず1番大変になるであろう人…マサちゃんにフォローを入れなければ…
そう思い私はマサちゃんの肩をぽんぽんと叩いた。
『マサちゃん、ごめん…』
「…名前……」
『正嗣…さん。』
「お前…あいつなんとかしろよ…いや、マジで。」
『馬鹿正直でいい子なんだよ?』
「言っていいことと悪いことがあるだろ…」
『躾しておく…」
がっつり凹んだマサちゃんをとりあえず放っておいて、今度は芝山。
「椎名さん…僕、いらないこと…」
『今のは口を滑らせた私が悪い。そして未だに何もわかってないリエーフが悪い。』
それでも落ち込む芝山。
バレーボール選手としては小柄の彼が落ち込む姿はまるで小動物のよう。
そんな彼を励ますつもりで私はそっと頭を撫でる。
『だからあんまり気にしないで?』
そう、芝山に言えば横からリエーフがしゃしゃりでる。
「なんで芝山ばっかり構うんですかー!」
『もー、リエーフのせいなんだからね!ってちょっと⁈』
もっと自分に構えとばかりに私を抱きしめるリエーフ。
廊下にはまた叫び声。
本当に自分が何を言ったか。
なぜ周りが騒がしいのかを全くわかっていない…
『リエーフ…いい加減に……しなさいっ!』
「いっっってえぇえ‼︎‼︎」
久しぶりに決まった。
やっくん直伝、回し蹴り。
タイミングよく、次の時間を報せるチャイムが廊下に鳴り響いた。