第21章 今年も夏休みは終わらないっ! 〜旅行3日目〜
サービスエリアの建物にはいれば一際目立つ長身の2人。
木兎にそれを知らせると、木兎はそちらへと駆けていく。
それを後から追うと、席を取っていてくれたリエーフが隣を開けてくれた。
「あかーしー!俺のラーメンは?」
「特製醤油ラーメンの大盛りですよね。もう来てますよ。」
「美優さん!フレンチトースト来ましたよ!」
「生クリームましましにしてもらったからなー。」
「美優さん遅い。はやく。」
「腹減ったー!早く食べましょー!」
口々に話をするみんなに1人ずつ返事を返し、改めて机を見れば7種類のフレンチトーストが並んでいる。
そこに木兎のラーメンまで乗っているのだからいつも通り机の上はいっぱいいっぱい。
とりあえず1人一皿選び、少しずつシェアすることにした。
木兎はやっぱりBLT。
赤葦はイチジクとクリームチーズ。
クロはアフォガート。
莉奈ちゃんはキャラメルバナナとくるみ。
蛍はいちごとカスタード。
リエーフはクレームブリュレ。
そして私はキャラメルシナモン。
みんなにお皿が行き渡ったのを見て、にこり笑う。
『じゃあ食べようか?』
「「「いただきまーす。」」」
一口切り分けてぱくりと食べる。
表面がカリッと、中はとろりとしたフレンチトーストが大好きなキャラメルのアイスとシナモンにコーティングされて口の中でとろけていくのがたまらなく美味しい。
莉奈ちゃんと蛍も同意見らしく、緩む口元を押さえ悶絶している。
「そんなに美味いか?」
「うん!うん!おいしーですっ!」
「月島が悶えてる。」
「悶えてません。」
「美優さん美味いっすねー!俺の一口どうぞ?」
『リエーフありがとう。いただきます。』
リエーフに一口もらったのを皮切りに他の人からもフレンチトーストのおすそ分けがくる。
おすそ分けをもらい、そしておすそ分けをしかえしている間にお皿の中身は空っぽ。
すっかりお腹いっぱいになった。
人の方が大半だったんだけど…