第21章 今年も夏休みは終わらないっ! 〜旅行3日目〜
ガールズトークを彼氏2人に聞かれ、居たたまれなくなった私達。
2人とも食欲がなくなり、残ったデニッシュを食べてもらいつつ、急いで飲み物を飲んだ。
「ほら、あいつら待ってるから行くぞ。」
そう言いながら、私達が食べたトレイを片付け先に出口に向かうクロの後を、グラスを片して急いで追う。
駆け足で追いつき、先を進むリエーフとクロの話を聞けば、2人が話すのは帰宅中寄るサービスエリアの話。
リエーフがスマホで検索したらしく、ここのこれが美味しそうだとか、これはどうだとか話をしている。
莉奈ちゃんと2人、後ろについて歩いているとリエーフがくるりと後ろを向いた。
「美優さんっ!ここどうですか?フレンチトーストんまそうっすよ!」
画面を見せられそれを覗くと、デザート系や食事系のフレンチトーストの画像が何枚も並んでいる。
美味しそうで、隣の莉奈ちゃんに声をかけると莉奈ちゃんの頬も緩む。
クロ以外の3人でわいわい盛り上がっていると、クロがくくっと苦笑した。
「お前らがそう言うなら行くしかねえじゃん。」
「やった!てつろーさん大好きー!」
クロの声に莉奈ちゃんがぴょこりと跳ね、クロに抱きつく。
「美優さん早く行きましょう!」
にかり、笑ったリエーフが私の腕を引く。
白のロングスカートがふわり、と足元を舞う。
胸の上でリエーフに貰ったハートのネックレスがとん、と跳ねる。
それが嬉しくて私は、自分の腕を引くリエーフの腕に自分の腕を絡める。
びっくりして振り返るリエーフに、私は笑った。
…ちなみに他の3人と合流した時に、クロがデニッシュを食べてたのをバラしたため、蛍に無言でデコピンされたんだけど…
そのうち、隙を見て仕返ししようかなと思います。