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あいつはねこまのわんこ系少年 そのにっ【HQ】

第21章 今年も夏休みは終わらないっ! 〜旅行3日目〜


「遅い。」

着いた瞬間蛍に言われた言葉。
あと2〜3組で順番が来るらしく、ぎりぎりまで来なかった私達…いや、私のワガママを私より先に着いたクロが話したんだろう…私に怒りの矛先が向けられた。

「美優さん、こっちは順番待ってるんですからね?
あと数組で呼ばれるのに来ないって焦るこっちの身にもなってください。」

確かに私が悪いけど…
でもきっとみんなも食べたいだろうなと思ったから買おうとしたのに…
怒られっぱなしで不満げな顔をしていたのだろう。
私に対して怒っていた蛍が私の目線に合わせ体を屈める。
え、と思う間も無くおでこに鈍い痛みが広がった。

『いだっっ‼︎』

「今すぐに食べないパンと昼食、どっちが大事です…?」

ため息まじりに言われ、お昼…と答えれば、蛍はデコピンした私のおでこをそっと指で撫でながらぽつり、呟いた。

「お昼前にばたばた選ぶより、お昼食べて時間あるときに選んだ方がいいってわかんないかなぁ…
たまのワガママが幼稚すぎ。
……そこが可愛かったりするんだけどネ。」

私だけに聞こえる小さな小さな声。
恥ずかしくてべちんと腕を叩くと蛍はくすりと笑った。

「7名でお待ちの木兎様ー!お席の用意ができましたー!」

入り口から店員さんに呼びかけられ、順番が来たことを知らせる。
木兎が我先にと入っていったのを見て赤葦がため息をつきながら後に続く。
その後ろを苦笑いの莉奈ちゃんと何が面白いのかぶひゃひゃ笑いのクロ。
そして私とリエーフ、蛍が最後について行った。

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