第21章 今年も夏休みは終わらないっ! 〜旅行3日目〜
管理人の方へ電話をし、鍵を指定の場所へおけば準備完了。
来た時と同じ席順で車に乗る。
「じゃあ出発するぞー。」
クロの掛け声で車が動き出した。
楽しかったな。
そう、景色を見ながら感じていると唐突にクロからの提案が。
「ちょっとさー、寄りたい店があるんだわ。行ってもいいか?」
まあ別に…
今日は私の家に帰るだけだから時間はあるし。
そう思いOKを出すと、車は昨日海水浴にきた浜の近くの駐車場に止まった。
先に木兎の車が停まっているから、もう打ち合わせは済んでいるんだろう。
財布、スマホなど必要なものだけ入れた鞄を持ち車から出ると、私とリエーフ以外はみんな少し嬉しそうな顔。
『…みんな、どこ行くの?』
そう聞いても内緒らしく、とりあえずお店があるらしい方向へ徒歩で進んで行く。
歩いて数分。
工房のようなお店。
そこにクロが先に入って行く。
そろり
隙間から覗いてみればガラスや何かの材料がずらり、たくさん並んでいた。
綺麗だな…
そう思っていれば中から呼ぶ声。
はいれば優しそうなお店の方。
「シルバーアクセ、ステンドグラス、サンドブラスト体験ができる店。
予約はしてあるから好きな体験を選んでやってみようぜ?」
そう言うのはクロ。
「昨日、木兎さんと月島とここら辺散歩してた時に見つけたんです。
すぐに店長に話聞いて、黒尾さんに情報送って、そのまま予約。
どうですか?」
いつ予約したのか…聞こうとすれば先回りした赤葦に先に説明され、私は開こうとした口を閉じた。
周囲を見渡せば素敵な作品の数々。
キラキラ輝くステンドグラスの写真立てやキャンドルボックス。
グラスに掘られた素敵なアート。
そして、様々な形のペンダントトップやアクセモチーフ。
お店の方に聞けば過去の作品やサンプルをたくさん持ってきてくれて、正直どれにするか本当に迷う。
迷いに迷った結果、シルバーアクセは私とリエーフ、クロと莉奈ちゃん。
ステンドグラスは蛍。
サンドブラストは赤葦と木兎が体験することになった。