第21章 今年も夏休みは終わらないっ! 〜旅行3日目〜
朝食を食べ終え、各自荷物の整理、そして使った場所の整理をし、男子部屋へ集合。
荷物を各車に積んでいる間に私とリエーフが代表で最終チェック。
1階の部屋を隅々まで周り、次が2階。
キッチン、冷蔵庫の中まで確認したけれど忘れ物はなし。
使った食器も指定の場所に戻してあるし、使ったシーツもひとまとめ。
お布団も畳んで各階1カ所にまとめたのでOK。
出したゴミも指定の場所においたから大丈夫。
「大丈夫そうっすね。じゃあ行きましょうか。」
そうリエーフは言いながら私に手を差し伸べる。
その手を握りながら私はリエーフに言う。
『楽しかったね?』
「もう過去形なんですか?」
言われたことの意味がわからず首を傾げれば、リエーフはにこり笑いながら話を続ける。
「まだ家に着いてないので旅行は終わってないですよ?
せっかくの旅行、まだまだ楽しみましょう?」
確かにそうだ。
あとは帰るだけ。
でも、よく言うじゃない。
”家に着くまでが遠足”だって。
本来は家まで気を張って帰宅しなさいって意味だけど、今回は家まで楽しみながら帰りましょうって意味で捉えるつもり。
それに、今日は家に帰ってもみんながいる。
夕食、朝食も何を作ろうか。
いっぱい考えることがあるっていいな。
『そうだね。旅行、楽しもうね?』
私はリエーフの方を向くとそう言って笑った。