第20章 甘く、はげしい夜。〜旅行2日目、夜〜
ちゅっ、ちゅっとリエーフの唇が触れる。
最初は頬。
次は鼻の先。
目尻やおでこ、耳たぶや首筋。
いろんなところに優しく唇が触れていく。
でも、肝心の唇には触れてくれない。
欲しいの。
リエーフが。
だから私は、そっとリエーフの頬に触れ、キスを止める。
「どうしたの?美優さん。」
リエーフはきっとわかってる。
私が、欲しくて欲しくてしょうがないってこと。
でも、私に言わせたいんだ。
”欲しい”って
正直、口に出すのは恥ずかしい。
でも、リエーフが喜んでくれるんだったら。
そう思い、私はそっと口を開いた。
『リエーフ…キス…して?』
「今までキスしてましたよね?」
リエーフが意地悪だ。
どこにキスが欲しいか、それを言わせたいみたい。
想像して頬が熱くなる。
「ちゃーんとどこに欲しいか言ってください。」
こういう時、リエーフは絶対引かない。
だから、私は小さな声でぽそり、呟いた。
『唇…に、欲しい。』
「あとは?」
『舌…絡ませるやつ…』
「他にして欲しいことは?」
親が子に諭すように優しい声音で私に問う。
私に問いながらリエーフはそっと、私が結い上げていた髪の毛をさらり、解いた。
『さっきの…ビーチでの続き…して?』
そう願えば、リエーフは私の欲しいキスをくれた。
ちゅっちゅっと下唇に2回吸い付き、ぺろりと舌先で吸い付いた唇を舐める。
そうして、リエーフは笑った。
「美優さん、よくできました。
いっぱい可愛がってあげますね?」