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あいつはねこまのわんこ系少年 そのにっ【HQ】

第19章 今年も夏休みは終わらないっ!〜2日目、海!海!海!〜




暗くなった夜道を車で帰宅。
別荘に入れば、念のためとつけておいたクーラーがいい仕事をしていた。

『あー…すずしい…』

「やっぱり夜はあちいなー。」

お盆を越えたとは言え、まだまだ暑さは引かない。
みんな、冷えた室内で涼んでいると木兎が床に転がりながらあーと唸った。

「腹減ったー。」

「木兎さん、夕飯食べたじゃないですか。」

「食ったけどさー、腹減っちまったんだもん。
なあ美優ぅー、なんかねーの?」

お腹が空いたときは私頼り…
流石に今から作るのはな…と思ったところで、昨日上野駅で買ったお土産のことを思い出す。

『シュークリーム、あるけど食べる?』

そう私が言えば、木兎はがばりと体を起こし私の方に這ってくる。

「シュークリーム⁈食う食う‼︎」

腕の力のみでほふく前進してくる木兎。
その素早さと行ったらまるで獲物に食らいつく蛇のようで、恐怖を感じた私は後ずさりをする。
しかし、私の気持ちなど御構い無しに木兎はどんどん私に近づき、ぐいと顔を近づける。

「ちょっと!木兎さん!美優さんは俺の‼︎」

そう言いながらぐいぐいくる木兎を引っぺがしてくれたのはリエーフ。
木兎はそのまま赤葦に部屋の端に連れていかれ、お説教決定らしい。

その姿をぼうっとみていれば、私を助けてくれたリエーフと一歩出遅れたらしい蛍が私に話しかける。

「美優さん大丈夫⁈」

「ぼーっとしてるからこんな風になるんでしょ。」

『あ、大丈夫。…ごめん。』

木兎のほふく前進に圧倒されて、動きを止めた脳。
それを動かしたのは蛍の声だった。

「ねえ、僕シュークリーム食べたいんだけど。」

『あ…うんっ!持ってくる!』

そう返事すると、私は急いでキッチンにある冷蔵庫に向かった。



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