第19章 今年も夏休みは終わらないっ!〜2日目、海!海!海!〜
「ったく…どこに行ったかと思ったら…」
リエーフに横抱きにされ、先ほどみんなと別れた場所に戻れば、クロとクロの陰に隠れた莉奈ちゃん、そしてまとまって行動してたらしい3人組が集合していた。
莉奈ちゃんは真っ赤な顔をしてたので、私と一緒で何かされたんだろうなってことが一目瞭然。
ついでに私も足腰が立たずリエーフに連れてきてもらってるから、完全に何かされたってことが一目瞭然な訳であって…
正直、恥ずかしい。
『リエーフ…降ろして…』
そう、小さな声で告げればリエーフはとんでもないことを口に出す。
「美優さん、さっき感じすぎて立てなかったじゃないですか。
もう大丈夫なんですか?」
『りっりえーふ⁈』
慌てて口を塞いでも、やっぱり聞こえないわけがなくて…
クロはムカつくにやにや顔。
木兎はわかっているのかいないのかわからないような顔。
赤葦は相変わらずの読めない顔。
蛍は…なんでご機嫌斜めな顔してるの?
「へえ…美優チャン、”感じすぎて”立てなかったんだ…
ドコでナニしてきたのかなー?」
嫌味なにやにや顔でそう質問してくるクロの腕を、私はぺちりと叩く。
でも、まだまだ手に力は入らないみたいで軽く手を乗せるくらいの力でしか叩けなかった。
後で数倍返ししてやる…
「そろそろ帰ろーぜ?腹減ったー‼︎」
そう、話を変えてくれたのは木兎。
その声とともにみんなは車の方へと向かっていく。
1番後ろを歩き出したリエーフ。
その胸元を軽く引けば、リエーフは私の方に目線を向ける。
『りえーふ…”さっき”の…』
そう呟けば、リエーフは口端を少しだけ上げ、周りに聞こえない声でそっと囁いた。
「みんなが寝たら昨日の部屋…ですよね?」
『ん…』
きっと私の顔は真っ赤だろう。
それでも私はリエーフに抱かれたまま、小さな、小さな声でリエーフに言葉を伝えた。
『さっきの続き……して…ね?』
リエーフは唇をぺろりと舐めると、そっと私の目元に口づけを落とした。