第19章 今年も夏休みは終わらないっ!〜2日目、海!海!海!〜
side灰羽
『リエーフは…さ…』
そう切り出した美優さん。
話し始めたのは今後の話。
『良彰さんとレイラさん…リエーフのお父さん、お母さんが日本に帰国したらどうするの…?』
「どうするって…」
『ご両親が日本に帰ってきたら、今みたいにうちにずっといることはできない。
で、ね、来年は私もリエーフも進路のことで忙しくなる。』
それについてはずっと考えていた。
今行なっている同棲は、期間限定のものだっていうことは理解している。
両親が帰国したら俺は元の家に帰らなきゃいけないこと。
来年は高校3年で、自分の将来に関わる大事な年だってこと。
そして、美優さんが夢を叶えるために必死で頑張る年だってことも。
『私は、リエーフと一緒にいたい。
でも…ね、来年はすごく大切な年…だから…』
俺だって美優さんと一緒にいたい。
でも、美優さんの邪魔は絶対したくない。
だって美優さんが大好きで大切だから。
だから…
「俺は、両親が帰国したら家に帰ります。」
だから俺は、美優さんが夢を叶えるための応援をする。
「去年みたいに空いてる日に泊まったり…
それで良いです。」
『リエ「良いんです。」
美優さんも悩んでる。
だから俺が結論を出さなきゃ。
そう思ったんだ。
でも、美優さんがぽつりと呟いた言葉が、俺の決意をぐらり、揺らがせた。