第19章 今年も夏休みは終わらないっ!〜2日目、海!海!海!〜
食事を食べ終わり、食器を洗い終わった頃には18時過ぎ。
まだまだ寝るには早い時間。
「じゃあ行くか。」
そう言いだしたのはクロ。
右手には車のキー。
『どこに行くの?』
そう聞けば、クロはにやり、笑う。
「いいトコ。ほら、出かける準備して行くぞー。」
今出かけても観光地やお店は店じまいの時間へと近づいているからあまり長居はできないと思うんだけど…
とりあえず財布などが入った鞄だけを持つと、私達はクロの車に乗り込んだ。
ーーーーーー
車に揺られて数十分。
着いたのは先ほどまでいたビーチ。
の横の公園。
昨日、来たいと言っていたけれど時間がなくて来れなかったのを思い出す。
「そろそろ日が沈むからいいロケーションだぜ?」
そう言うのは私達を連れて来たクロ。
さりげなく莉奈ちゃんの腰を抱いている。
莉奈ちゃんは恥ずかしそうに顔を赤く染め、クロに顔を埋めている。
「てつろーさん…恥ずかしい…」
『ねえ、クロ。もしかして自分が莉奈ちゃんとこうしたいから私達を連れて来た…とか?』
そう言えば、クロはにやりと笑う。
「さあな。まあお前もたまには家じゃない所でいちゃついてくれば?」
人前でいちゃつくとか…なんて思っていれば、後ろからハイと返事が聞こえて来た。
『…リエーフ?クロのは冗談だから間に受けなくていいの。』
「えー!でも俺、美優さんとデートしたいです。」
でも、私達以外にも木兎たちもいるし…
そう考えていれば不意に乱入する影。
「俺たち別に浜辺ふらふらしたりそこら辺ぐるぐるしてますよ?ってことで行きますよ、木兎さん。月島。」
「一通り終わったら連絡ください。僕、他人がいちゃついてるところなんて見ていたくないですし。」
そう言って赤葦と蛍は木兎を引っ張って浜とは逆方向へと歩いていった。