第19章 今年も夏休みは終わらないっ!〜2日目、海!海!海!〜
少しだけ気持ちが落ち着いたのを見計らって私は2階のキッチンに戻った。
…のはいいんだけど、お腹を空かせた木兎が私の顔を見るなり夕飯の催促…
とりあえず私は下味をつけていた鶏肉に満遍なく片栗粉を振るい、いつもより多めに入れた油で一枚ずつ弱火で揚げ焼きに。
それを後ろで覗いていた木兎のキラキラした瞳がくすぐったいというかなんなのか…
その間にリエーフにはエビチリ、麻婆茄子などのレンチンを頼む。
そして、やることがないかと聞くクロにはスープに乾燥わかめとちぎったレタスを入れてもらってる。
あとは莉奈ちゃんにご飯をよそってもらって、蛍に台拭きをしてもらう。
肉、肉騒がしい木兎は赤葦と一緒に隣の部屋のお布団を畳みに行った。
みんなの作業があらかた終わった頃には、私が作っている油淋鶏もなんとか揚げあがり、あとは切ってタレをかけるだけ。
蛍が冷蔵庫からお茶を、赤葦が人数分のグラスと箸を準備してくれたのを見計らって油淋鶏を並べれば、みんな今すぐにでも箸を伸ばしたいって顔をしている。
私がいただきますの号令をかければ、みんなは口々に挨拶をしてそれぞれ食べたいものを食べ始める。
リエーフ、木兎はやっぱり油淋鶏に箸を伸ばしてるし、クロは麻婆茄子の作り方を聞いてくる。
莉奈ちゃんは昨日自分が下拵えした海老がエビチリに変わったのをキラキラした目で見ているし、その横から赤葦はがっつりエビチリを自分の茶碗によそう。
蛍はなかなかに食が進まないのか中華サラダとスープをひたすらに消費している。
それを見ながら私も無くなりそうなおかずから少しずつ茶碗によそって食べ始めた。