第19章 今年も夏休みは終わらないっ!〜2日目、海!海!海!〜
少しだけって言ったのに、リエーフにねちっこく求められて唇がふやけるんじゃないかってくらい長いキスをした。
隣の部屋で誰かが木兎を蹴り飛ばしたみたいで大げさな叫び声が聞こえだことによりやっとキスは中断。
抱きしめられていた身体は離された。
『わ…たし、1階のトイレ行ってくるね…?』
誰かが部屋から出てくる前に気持ちを落ち着かせるために急いで階下に降りようとすると、リエーフに引き止められる。
そしてリエーフは私の耳元に唇を寄せ、そっと囁いた。
「明後日、みんなが帰ったらいっぱいえっちしましょうね?」
くすり、笑い声と共に離れる体。
顔にぐぐっと血が上っていくのがわかり、私はリエーフから顔を背けた。
『…っ!しらないっ!』
恥ずかしさを誤魔化すためにぱたぱたとスリッパの音を立て階段に向かう。
その横でがらりと開く隣の部屋との境界。
「あれ?美優。どうした?」
そう声をかけるのは木兎。
『っ!トイレ!行ってくるっ!』
ぶっきらぼうに返せば木兎は不思議そうに首を傾げていだけれど、それをフォローする余裕もない私は、その場を急いで離れ階下に降り、お手洗いに入った。
恥ずかしくて恥ずかしくて、溶けて無くなってしまいたい。
そう思うくらい恥ずかしい。
いつも、家でするリエーフとのキスとは違う。
他の人にばれないか、ひやひやしながらのキスは刺激的で、正直いつものキスより感じていた。
明後日。
きっと蛍を送ってみんなでご飯を食べたら解散だろう。
そのあと…リエーフと…
そう考えただけできゅんとお腹が疼く。
リエーフの、時折見せる鋭くてえっちな瞳を見るだけで、私の中の何かがざわりと疼くの。
落ち着くために深呼吸をしたあと、改めて下着を下ろしトイレに腰掛けて気づく。
下着…汚れてる…
先ほどのキスで感じた身体が反応し、下着を汚している。
その事実さえも恥ずかしくなり、私は両手で顔を覆った。
『リエーフの…ばか…』