第19章 今年も夏休みは終わらないっ!〜2日目、海!海!海!〜
side莉奈
ふと、キッチンの方から物音が聞こえて目が覚めた。
寝ぼけた目を擦り瞳を開けば、聞こえる小さな喘ぎ声。
きょろきょろ周りを見渡せば私よりも先に寝落ちたリエーフ先輩がいないからきっとリエーフ先輩と美優さんだろう。
聞いてるのも恥ずかしいしもう一度寝てしまおうと思った次の瞬間、後ろからがっしりとした腕が私の上にのしかかってきた。
びっくりしていれば、その腕は私のお腹に巻きつき、硬い胸板が背中にぴとりとくっつく。
「起きてるんだろ?莉奈チャン。」
ふわり、耳にかかる吐息。
思わず体を震わせれば小さくくすりと笑う声。
「てつろ…さん?」
小さく名前を呼べば首筋に当たる唇の感触。
びくりと肩を跳ねさせればてつろーさんはくくっと含んだように笑う。
「聞こえてるんだろ?向こうの声。」
向こうの声、と言うのはキッチンの…
そう、リエーフ先輩と美優さんの声のこと。
ふるふると顔を横に振るけれど顔が真っ赤なのを指摘されてあえなく嘘がバレた。
「あいつら、毎日ずっと一緒なのにな。
他のヤツらいる時くらい我慢できねーのかってな。」
そう言いながらてつろーさんの指は私のTシャツの隙間から露出したお腹やショートパンツから伸びる太ももをそっと撫でる。
気持ち良い所を的確に撫でていくので声を出さないようにと口元に手を持っていけば、てつろーさんは私の耳たぶを甘噛みし、ねろりと輪郭を舐めた。
「さすがにこれ以上やっちまうと抑えられなくなっちまうからまた今度な?」
ぎゅっと私を抱きしめたてつろーさん。
露出した太ももに当たる、興奮の証に背中がぞくりと震えた。
今度…っていつ?
そう聞きたいけれど、今は恥ずかしさをこらえる事でいっぱいいっぱいだった。