第19章 今年も夏休みは終わらないっ!〜2日目、海!海!海!〜
「みゆさん…?」
『リエーフ、まだ寝ててよかったのに。』
起きて来たのはリエーフ。
寝ぼけ顔でそばに来て、私をぎゅっと抱きしめる。
「夕飯のメニューは?」
『夕飯は中華縛りで行こうと思って。
今のところエビチリ、麻婆茄子、中華サラダはできたよ?
今はメインを何にするかで悩んでるところ。』
棒棒鶏と油淋鶏、回鍋肉で悩んでることを伝えれば、リエーフは迷わずに油淋鶏を選んだ。
よし、作ろうと思ったけれど、リエーフがべったり背中に張り付いているから料理を作ることができない。
『リエーフ?一回離れて欲しいな…?』
そうお願いするけれどリエーフは中々どいてくれない。
「みゆさんとあんまりぎゅーできてないから…」
眠気の混じった甘くとろけるような声に思わず白旗を降りそうになるが、そしたらメインのおかずができない。
ぐっとこらえて私はリエーフの手をぎゅっと握った。
『せめて下味だけつけさせて?じゃないとリエーフに美味しい油淋鶏食べてもらえなくなっちゃう…』
そういえばリエーフは渋々離れ椅子に腰掛けた。
よし、今のうちに。
昨日買っていた鶏むね肉をお酒と塩胡椒に付けて保存袋に入れておけば、お肉が柔らかくなるし下味がついて美味しくなる。
次は油淋鶏のタレ。
残り1本になったネギを全てみじん切りにして、にんにくと生姜を加える。
そして醤油やお酢、砂糖などの調味料を混ぜ合わせれば完成。
後は、玉ねぎを薄くスライスしたのとミックスベジタブルを雪平鍋に入れて中華だしと醤油、みりんで味付け。
わかめとレタスをあとで入れるとして…
今できることは大体済んだので私は、椅子に座ってうとうとしていたリエーフをそっと起こした。