第19章 今年も夏休みは終わらないっ!〜2日目、海!海!海!〜
お昼少し前、砂浜に戻っていたらしい木兎がぷかぷか海に浮いている私達にお昼を教えに来てくれたので浜に戻ると、先に戻っていた木兎がお腹が空かせてうずうずしている。
『鞄とかみてたほうがいいから二手に分かれようか。』
「そうだな。木兎がこの状態だから先に行かせるとして…赤葦!お前最初な?」
そう言ったクロに少々不満顔の赤葦。
「飯くらいゆっくり食べたいんですが…」
「俺も一緒にいくから。莉奈はどうする?」
「私は…どちらでも…」
私とクロを交互にきょろきょろみている莉奈ちゃん。
こそりと耳打ちをすると私の方を見てにかりと笑う。
「私、待ってます!」
「…?じゃあ行ってくるな?」
そう行って食事に向かう3人を見送ると私は莉奈ちゃんと顔を見合わせ笑う。
「なに企んでるんですか…」
聞いて来たのは蛍。
企んでるわけじゃないんだけど…
『このビーチ、海の家がないの。だから近くのご飯屋さんに行くことになるんだけど…』
この時点で蛍は察しがついたみたい。
まだわかっていないリエーフに説明をするべく私は話を続けた。
『木兎のことだからガッツリ系メインのお店になること間違いなし。そしたら莉奈ちゃんが可哀想だなぁと思ってね?』
ねー?と顔を見合わせ2人で笑えば小さなため息。
「で?良さそうなお店、あったんですか?」
『今検索中。…っと、ここは?』
スマホの検索画面をみんなに見せればみんな悪くなさそうな顔。
ルート検索をし、準備OK。
先に行った3人を暇を潰しながら待っていれば、お腹いっぱいで幸せそうな顔をした木兎、いつもの顔の2人が帰って来た。
『おかえり。なに食べて来たの?』
「チャーシューワンタンメン!大盛り!」
ニコニコの顔でそう答えたのは木兎。
完全に説明が足りない。
そんな私に、ため息をついた赤葦が追加説明をしてくれた。
「飯、何にするか検索かけたらうまそうなラーメン屋が出てきて…
木兎さんが乗り気になったのでそこに行ってラーメン食ってきました。」
ちなみに赤葦はワンタンメン、クロはチャーシューワンタンメンの普通盛りにしたらしい。
ついでに餃子も頼んでシェアしたらしいです。
やっぱり予想通りだなと笑うと、先に食事に行く準備を終えたリエーフ達が私を呼んだので、話を中断させるとお昼ご飯を食べにお店に向かった。