第18章 旅行の夜はなぜ長い?〜旅行1日目〜
「美優さんは続けてください。」
洗濯物の取り込み、空き部屋のベッドの整頓を終えたリエーフが助っ人に来てくれたらしい。
リエーフはボールを持ちそのまま莉奈ちゃんのところへ向かう。
蛍が剥いた卵を入れたボールにみじん切りの野菜を入れながら、莉奈ちゃんへの指示が間違ってないかを聞く。
「じゃがいもはボールに全部入れちゃって、ラップを外す。あとは氷を入れて、水を入れてっと…」
「水なんて入れたら水分吸っちゃいません?」
「べちゃべちゃにはならないから大丈夫。これで皮が剥きやすくなるから。
美優さん!じゃがいもはポテトサラダ?」
『正解!バター出してあるから使って!ミックスベジタブルは蛍が茹でてくれてる!』
「はーい!」
ポテトサラダはリエーフと莉奈ちゃんにお任せ。
とりあえずみじん切りを終えた私は、それらを入れたボールにマヨネーズ、塩コショウ、ちょっぴりお酢を入れ、蛍にスプーンを渡した。
『卵粗く潰しながら混ぜてて?』
「…これ…なんですか?」
『タルタルソース。』
本当はきゅうりがピクルスだったりと違いはあるけれどうちで作るときは毎回このレシピ。
今日は鮭のムニエルに添えようかなって思って作ってみた。
『じゃあ蛍よろしくー!』
ポテトサラダに鮭のムニエル。
白米は炊けてるから、あとはスープと…
そう考えていれば男子部屋から出て来た木兎が、作っている料理を見て私に問う。
「なあ美優、肉、肉ねえのー?」
お肉か…
しょうがない。
『お肉料理作るから待ってて?』
「やりい!」
明日使う予定だった豚ひき肉から1/4をフライパンに移し、少しだけ水を張るとそのまま沸騰させ油を切る。
そのまま炒めて、醤油やみりん、お酒に砂糖に生姜で味付けすれば、豚そぼろの完成。
あとは、レタス、トマト、玉ねぎを食べやすい大きさに切って水を張った鍋に投入。
中華だしと醤油、みりん、生姜をいれて沸騰させればOK。
時計を見れば目覚めてからジャスト30分。
あとはお皿に盛りつければ完成。
ポテトサラダとタルタルソースはすでに盛り付けられている。
あとはそぼろをお皿に移して、ご飯と汁物を盛るだけ。
『遅くなったけどできたよー!』
ご飯と汁くらいは自分達でやってもらおう。
そう考え、私はそぼろが入るような器を探し始めた。