第18章 旅行の夜はなぜ長い?〜旅行1日目〜
「「「いただきまーす」」」
なんとか9時前には食事が始められた。
急いで作った割には味は悪くない。
ポテトサラダもリエーフ達が頑張ってくれたおかげでちょうど良い味付けだし。
ポテトサラダを頬張っていると、隣のリエーフが私の袖をくん、と引く。
「味…大丈夫そうですか?」
『うん。美味しい。』
「よかった…ちょっと自信なかったんです。」
そう言ってふにゃりと笑うリエーフににこりと笑ったとき、後ろから頭を叩かれた。
『ふみょっ‼︎痛いっ‼︎』
「痛いっ‼︎じゃねーっての!朝起きたら部屋にリエーフいねーしお前に連絡しても電話に出ねーし莉奈に連絡したらお前は部屋にいねーし。」
まくしたてるようにばんばん話し出すクロ。
「玄関に靴あるからって空き部屋探したらビンゴ…
しかもアラームの設定間違って普通に寝てるしな。」
『ごめんってば…夜寝付けなくて…』
ご飯の時にお説教されたら美味しいものも美味しくなくなっちゃうじゃん…
もっしゃもっしゃとご飯を食べていると、ぽそりと前の席から声が発せられる。
「まあ、寝坊してもしっかり飯食えてるんだしいいんじゃないですか。
美優さんも完璧人間じゃないんだし。」
意見を言った後さり気なく私に微笑んでくれる赤葦。
まあ、微笑むって言っても普段よりも口元が少しだけ上がるくらいなんだけどね。
『あかあしぃ…』
「俺、この鮭とタルタルソース好きです。」
さり気なく料理褒めてくれるのも嬉しい。
『菜の花手に入ったらからしあえ作ってあげる。』
「ありがとうございます。」
他のメンバーはえーだのずるいだのぶちぶち文句を言っていたけれど、時計が9時20分を超えたことに気づき、慌てて残りのご飯を食べることに集中した。