第17章 今年も夏休みは終わらないっ!〜今年も大集合!1日目編〜
「お待たせしましたー。」
注文した品が届けばいつも通り机の上は料理だらけ。
本人の前に来るようになんとか並べれば店員さんが苦笑する。
これでもデザートはあとにしてもらったんだけどな…
「よっしゃー!食うぞー!」
気合いを入れてアジフライとアジの刺身の定食を食べ始めたのは木兎。
「木兎さんもう少し落ち着いて食べてください…」
と、木兎をたしなめながら天丼のセットの味噌汁を飲む赤葦。
「ほら、茶碗蒸し。」
「やった!ありがとうございます。」
アジのタタキの定食に付いていた茶碗蒸しを莉奈ちゃんに渡すクロ。
ちなみに莉奈ちゃんは海鮮丼のみ。
「うまそー!いただきまーす!」
お店のおすすめの天ぷらとお刺身の定食に箸を伸ばすリエーフ。
「美優さん、お刺身貰うよ?」
そう言って私のお刺身定食から海老を1匹持っていく蛍。
『じゃあ蛍のも一口ね?』
私も蛍のしらす丼を一口もらう。
「あ、美優さんご飯少しもらいますよ?」
そういいながらリエーフは私のお茶碗から白米を1/3持って行った。
『リエーフはお刺身何食べる?』
「刺身は俺あるんで大丈夫ですよ。お腹いっぱいになったら言ってくださいね?」
「美優さん茶碗蒸し。」
『あ、蛍。一口食べさせてね?はいどうぞ。』
メニューを見た時から食べたかったお刺身定食。
でも、量が多くて食べきれるか悩んだ時に両隣から声がかかった。
「食べれなかったら俺が食います!」
「僕、しらす丼食べたいけど定食は食べれる気しないから美優さん分けて。」
きっと2人はわかってるんだろうな。
私が「食べたい」って思っても、残すんだったら別のものを頼むってこと。
だから今回の提案は本当にありがたかった。