第16章 今年も夏休みはおわらないっ! 〜今年も大集合!1日目移動編〜
約40分後、先ほど見つけた公園の駐車場に入り、車が止まった。
降りてみれば目の前は海。
ビーチの横に散歩のできそうなデッキが広がっている。
後ろを追いかけてきた木兎の車が駐車場に入ったところで、私達は別荘までのルートの最終確認に入った。
確認が終わったところで顔を上げれば、今にも海の方へ走り出したそうにうずうずするリエーフと木兎。
それを見てため息をついた赤葦が木兎の首根っこを掴み、走り出さないようにと制止をかけている。
「遊ばせてやりてえけどな、まず泊まるところの確認しなきゃあな。」
そうだよね。
もしかしたら足りない備品もあるかもしれないし。
でも、もう少し海見ていたいな…
そう思っていれば、クロがあからさまにため息をついた。
「とりあえずまずは貸別荘の確認からな?その後は買出しがてら昼飯食いに出て、その後にまた来るか。ここ。」
クロの言葉に私、リエーフ、木兎、莉奈ちゃんは大喜び。
まあ、赤葦も蛍も嫌だって顔はしてないからOKってことだよね。
また来ることが決まったからか、やけに張り切る木兎。
「よっしゃー!ラストいくぞー!」
嬉々として車に乗り込む木兎に苦笑いでついていく赤葦と蛍。
私とリエーフ、莉奈ちゃんも車に乗り込むと、車は目的地に向かって進んでいく。
後10分強。
貸別荘はどんなところなんだろう。
素敵なところなんだろうな。
たくさんのことを考える。
どきどきとわくわくが止まらない!
そんな気持ちの私を乗せて、車は山道を進んでいった。