第16章 今年も夏休みはおわらないっ! 〜今年も大集合!1日目移動編〜
そのまま外に出て集合のベンチの方へ歩くと、先ほど赤葦が肉まんを買ってきたお店の前を通る。
「「『あ』」」
私達は見つけてしまった。
ソフトクリームを。
それもいちごミルク、みかんミルク、北海道ミルク。
時計を見れば時間は十分にある。
私は気持ちが揺らぐ前に3種類のソフトクリームを買いに行った。
いちごミルクは蛍、みかんミルクはリエーフ、そして北海道ミルクは私。
2人にソフトクリームを渡すと急いで日陰に向かい、回し食べる。
暑いときは体の中から冷やさないとね…
なんて言い訳しながら食べていれば、突然近づく蛍の顔。
蛍は頬をぺろりと舐めて、笑った。
『ついてましたよ。本当に年上ですか?』
「…っ!うるさいっ!」
「ツッキーずるいっ!」
わーわーぎゃーぎゃー騒いでいれば、いつの間にか来たクロから雷が落とされ、あえなく鎮火。
ソフトクリームを食べ終えても木兎と赤葦が戻ってこないので、念のためにお手洗いに行って戻れば集合5分前。
それでもこない木兎達に焦れたクロが連絡を取れば、 数分後に苛立った顔をした赤葦に背中を押されて木兎がやってきた。
「だって色々うまそーでさー。でも全部買ったら昼飯食えねーだろ?」
そう言う木兎の手にはたくさんの買い物袋。
『私、さっき蛍にカレーのスティックパン渡したけど…いらなかったかな…』
「いや、木兎さんなら食べますよ…」
『もし食べなかったらそっちの車でなんとかしてね、赤葦。』
木兎の買った量にため息をつきつつ、私達はそれぞれの車に乗りパーキングエリアを後にした。